配線工事は自分でDIYできる?配線工事について知らないと大変な注意点を解説
毎日の暮らしの中で、「ここにコンセントがあったら」「ここに照明を増やせたら」などと思うことも少なくないはずです。そのような時に、簡単な工事だろうから、自分でDIYに挑戦してみようと思われるかもしれません。また、実際にインターネットで検索すると、自分で電気工事に挑戦したという投稿も多く見つかることでしょう。それでは、配線工事はDIYで行ってもいいのでしょうか。配線工事について知らないと大変な、注意点を解説していきましょう。
1. そもそも「配線工事」とは?
そもそも、配線工事とはどのような工事なのでしょうか。
1-1. 配線工事とは?
「配線工事」とは、電気の通り道となる電気配線を設置して、各所に電気を届けられるようにする工事です。つまり、配線工事をしなければ、生活の中で電気が一切使えません。 配線工事というと一般的には建物内における電気配線やコンセント・スイッチ類の工事を指すでしょう。ただし、発電所で作られた電気を届ける電線路の設置、建物内に送電線から送られてきた電気を送る引き込み線の設置も、すべて配線工事に含まれるのです。
1-2. 配線工事の種類とは?
配線工事のうち、発電所や変電所からの電線を繋ぐ工事は「外線工事」です。そして、建物内部で行う工事が「内線工事」になります。配線工事の中でも、誰もが生活の中で使用する身近な電気設備の工事となるのが内線工事だといえるでしょう。内線工事は具体的には、次のような工事があります。
- コンセントを設置する「コンセント工事」
- 照明・換気扇などの電源となる「スイッチプレート工事」
- 照明を設置する「照明器具設置工事」
- テレビの電波をアンテナからテレビまで送る配線を設置する「テレビ配線工事」
- インターネットの利用に必要となるLANケーブルを敷設する「LAN配線工事」
2. 配線工事には国家資格が必要!
配線工事は自分でDIYできるのでしょうか。それには国家資格が必要になることを解説していきましょう。
2-1. 配線工事は自分でDIYできる?
今DIYは、大変な人気を集めています。今までは業者に任せていたような作業・工事も自分でDIYに挑戦してみようと思われる方も多くいます。インターネットでも、実際にDIYした人の投稿ややり方についての動画が多く見つかるかもしれません。 ところが配線工事は、自分でDIYできません。電気に関係する配線工事は、「電気工事法」で規制されているからです。
2-2. 電気工事法とは?
電気工事法は、電気工事の際の事故・犯罪を防止するため、電気工事の従事に関する規制を定めるため、1960年に制定されました。電気工事は一見単純そうに思えますが、目に見えない電気を扱うので感電や漏電による火災など大きな危険も潜んでいます。そのため、電気工事を行うには、電気工事に関する国家資格の取得を義務づけているのです。
2-3. 電気工事法に定められた国家資格とは?
電気工事の際に必要だと電気工事法に定められる国家資格は、次の4種類です。
- 第二種電気工事士:一般用の電気工作物に関する工事ができる資格
- 第一種電気工事士:第二種電気工事士の対応できない工場・商業施設等の工事も行える資格
- 認定電気工事従事者:電気工事士のできない最大500kw以下の作業ができる資格
- 特殊電気工事資格者:とりわけ特殊な電気工事作業に関われる資格
このうち、屋内の配線工事に必要な資格は、第二種電気工事士以上の資格です。とりあえず第二種電気工事士の資格を取得すれば、自分で配線工事のDIYができるのです。
3. 自分でDIYできる電気工事・DIYできない電気工事
電気工事法で、電気に関した工事は資格取得者のみと定められています。ところが電気工事法には、「軽微な工事」なら無資格でも可能だとも定められているのです。ここからは、無資格者がDIYでもできる電気工事と、資格がなければできない電気工事について説明していきましょう。
3-1. 自分でDIYできる電気工事とは?
無資格でできる軽微な工事は、次のように600V以下の作業になります。
- ソケット・ローゼットなど600V以下で使用する接続器の作業
- 蓄電池の中でも600V以下にて使用される作業(端子の接続)
- 600V以下で使用するヒューズやブレーカーに関わる作業
- 豆電球やインターフォンなど小型変圧器に関わる作業
- 腕木や電柱の設置・変更に関わる作業
3-2. 資格のなければできない電気工事
600V以上の電気工事、壁の中にまで関わる工事は全般的に資格がなければ電気工事できません。もちろん、配線工事も含まれます。無資格でそのような出禁工事を行うと、3万円以下の罰金または3か月以下の懲役が科されてしまいます。危険も伴うので、無資格でのDIYは避けましょう。
4. まとめ
配線工事は簡単そうに思えるものの、目に見えない電気を扱うことから危険が伴う作業です。電気工事法に定められた資格がなければできない工事なので、配線工事の必要な場合には有資格者のいる電気工事会社などに依頼しましょう。
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