スイッチやコンセント、照明を増設したい時には、その場所まで電気の配線を伸ばす工事が必要になります。これを「配線工事」といいます。配線工事はそれほど複雑な工事ではなく、数時間から1日あれば完成することが大部分でしょう。それでもできるだけ技術力の高い業者に、妥当な金額で施工してもらいたいものです。そこで今回は、配線工事を依頼する時の、業者選びのポイントについて解説していきましょう。

配線工事とは、発電所・変電所からの電気を各住宅へ引き入れるための電線の経路を作る工事のことです。屋内に引き入れられた電線をさらに、コンセントやスイッチ、照明まで伸ばす工事も配線工事に含まれます。発電所・変電所から各建物までの配線工事は屋外の工事なことから「屋外配線工事」、屋内での配線工事は「屋内配線工事」と呼ばれることもあるでしょう。ここでは、大部分の家庭で行う屋内配線工事について紹介していきます。

何本かの電線をまとめた「VVFケーブル」を分電盤から天井裏・壁の内部を通して伸ばしていき、コンセントを設置する配線工事です。古い住宅の場合にはコンセント数が少なく、延長ケーブルやタコ足配線を多用するケースが多々あります。それより既存のコンセント内部にある配線を分岐させ、新しくコンセントを設置した方が安全でしょう。分電盤から新しく配線を引けば、工事費用は高くなるものの消費電力の大きいコンセントが新設できます。

照明器具や換気扇などのスイッチまで伸ばす配線工事です。照明器具経由でケーブルを分電盤からスイッチにつないで、また分電盤に戻るよう配線します。

照明器具取り付けのために、天井に通す配線工事です。天井に設置して電線を配線する「ひっかけシーリング」と呼ばれる器具を設置します。ひっかけシーリングのある位置にしか照明は取り付けられません。別の位置に照明を新設したいなら、電灯線を延長する工事が必要になるでしょう。

新築時には、まず壁の内側や天井裏などのスペースを使い、屋内配線を行っていきます。各部屋には電灯線とコンセント用の配線をして、コンセントやスイッチを設置する場所には、コンセントボックス・スイッチボックスを設置して、そこまで配線を伸ばすことになります。各部屋の石膏ボードや断熱材を張る前に工事を済ませ、最後に屋内配線と屋外の電気メーターの配線をつないで、分電盤に接続して完成となるでしょう。

配線工事は電気工事の中でも簡単な工事ですが、なぜプロに依頼しなければならないのでしょうか。

配線工事を行うには、電気工事士二種以上の資格が必要だと、電気工事法に定められています。

配線工事は、単純な作業に見えて実は漏電による火災や感電など、危険を伴う作業です。簡単そうだからと、無資格にもかかわらずDIYするのは避けましょう。

配線工事を依頼する業者選びのポイントは、次4点です。

配線工事自体は簡単な工事で、数時間から1日あれば完了するものです。それでも壁の内側の見えない部分を任せる工事なので、信頼できる工事実績が多い業者を選べば安心でしょう。工事実績が多いかどうかは、ホームページをチェックしてみるのがおすすめです。

依頼してから現地調査・見積もりまで、契約から施工・完成までのスピードは、なるべくはやくしてもらいたいものです。問い合わせした際の対応力をチェックしましょう。

アフターフォローや別件を依頼したい際などに、なるべく自宅から近い業者を選ぶのもおすすめです。遠方だと出張費を請求される場合も多いでしょう。近くの業者なら、また何か電気工事を依頼したい時に一から業者探しをする必要がなくなります。

できれば2・3社から見積もりを取る「相見積もり」を行って、複数社の見積もりを比較してみましょう。複数社からの見積もりを比較する際には、合計金額だけでなく各項目を見るのも大切です。見積もりを取ったら、不明瞭な点がないかをチェックしましょう。費用が「雑費」で大きくくくられていたり、「数量：一式」としか書かれていなかったりする場合は、注意が必要です。見積もりを提示された時の説明が、わかりやすいかどうかも大切です。