自宅やオフィスの庭をきれいに保つには、定期的な剪定が重要です。一方で、剪定の経験を持っていない場合、どの枝を切れば良いのか悩むかもしれません。きれいに剪定するには、7つのポイントを押さえておくことが重要です。そこでこのコラムでは、剪定作業を行う際に押さえておきたいコツについて解説します。

剪定作業を成功させるには事前の理解が重要です。ここでは、剪定作業前に押さえておきたい7つのポイントをご紹介します。

枝を剪定する場合、枝に対して垂直に切り落とすのが基本です。垂直に切るなら切り口の面積が小さくなり、雑菌が入りにくくなるでしょう。また、枝の回復も早くなるため、健康な状態を維持できます。太い枝を切る場合にも、垂直に切るのがおすすめです。ただし、状況によっては斜めに切った方が良い場合もあるため、枝の状態に応じて臨機応変な対応を心掛けると良いでしょう。

枝を切り落とす位置は、外向きなっている芽のすぐ上が理想です。内向きの芽の上で切ってしまうと、芽に栄養が集中してしまいます。枝が上に向かって伸びてしまい、立枝や徒長枝になってしまうこともあります。剪定する枝を注意深く観察しながら、内芽と外芽を見極めるのが重要です。芽の向きを意識しながら剪定すると、バランスが保たれます。

太い枝を切る際には、複数回に分けて切り込みを入れるのが理想です。1回で切り落とそうとすると、枝が裂けてしまったり切り口が大きくなりすぎたりするかもしれません。太い枝を切る場合、はじめに枝の根元から先に切り込みを入れます。次に枝先を切り落とします。最後に根元から枝を切り離すと、きれいに仕上がるでしょう。

硬い枝を剪定する場合には、斜めに切り落とすのが理想です。硬い枝を無理に切り落とそうとすると、繊維も無理に断ち切ることになってしまいます。枝を切り落とすときには、特性を確かめることが重要です。斜めに切り落とした後は、とがった部分をきれいに切り落とします。

剪定の際には、左右のバランスを確認も大切です。片方に偏って剪定すると、樹形が大きく崩れてしまいます。場合によっては、見た目にも影響を与えてしまうでしょう。剪定前に葉の付き方などを確かめておくと、形が整いやすくなるでしょう。全体のバランスを意識しながら剪定すると、美しい仕上がりが可能です。

剪定バサミを使用するときは、刃の向きへの注意が大切です。切り刃側を使った場合、切り口はきれいに仕上がります。一方で、受け刃側で切った場合、樹皮がつぶれてしまうかもしれません。剪定作業の際には、常に刃の向きを確かめておくと良いでしょう。ただし、無理な姿勢で作業を続けるとケガする恐れがあるため、注意が必要です。

選定作業では仕上げが大切です。自然の樹形を手本にしながら作業を進めると、美しい仕上がりを期待できます。剪定時に迷いが起きたときは、公園や森の木を見て確かめるのも良いでしょう。イメージを思い浮かべながら作業を続けると、理想の形に仕上がります。

剪定では、避けておきたいポイントについても理解しておくと良いでしょう。ここでは、避けておきたい3つの剪定方法について解説します。

枝を切る際には、幹をえぐるような切り方に注意が必要です。枝の根元は枝の組織と幹の組織が重なり合っており、傷口を保護したり病原体の浸入を防いだりする役割を持っています。枝の根元を傷つけてしまうと、木の成長がストップするかもしれません。

枝を切り落とす際には、幹に枝が残らないようにします。残った枝から新しい枝が伸びたり、枯れて見た目が悪くなったりする可能性もあるからです。幹から細い枝が生えているときは、丁寧に切り落とすのが大切です。

弱剪定と強剪定は、剪定の程度を指す言葉です。木に対してどれほどの量の枝を切るのかを表しています。弱剪定とは木の枝を少し切ること、強剪定とは木の枝を大幅に切り落とすことです。弱剪定を繰り返したり強剪定のみを行ったりすると木のバランスが崩れてしまいます。木の状態を見ながら、弱剪定と強剪定を使い分けると、美しい状態を保てるでしょう。