近年は高齢化に伴って独居の高齢者も増えており、親族の身辺の財産状況などを把握しにくい家庭も多くなっています。そうしたことから親族が亡くなった場合の遺品整理を、業者に依頼することを検討される方もいるでしょう。今回はそのような遺品整理費用の相場と、安くするコツなどについて解説します。

普段の生活の中で遺品整理を行う機会はほとんどないため、遺品整理を業者に頼むことを検討する際に気になるのは、その費用でしょう。実際のところ遺品整理の費用は業者によってもさまざまではありますが、その費用の相場について解説します。

遺品整理の費用は、遺品整理を行う住宅の間取りを基本として、その住宅や周辺の環境などによって左右されることが多くなります。また遺品整理に必要とされる人数が多くなれば、その人員分の追加費用がかかることになるでしょう。そうしたことから遺品整理の相場というのは、一概に決まった金額をいうことは難しいのが実際のところです。

一般的な、1K～3LDKくらいの広さの住宅であると仮定した場合でも、約3万円～約50万円という大きな費用幅があります。4LDK以上の広い住宅や物が多い場合は、50万円以上になることもあるでしょう。また特殊清掃なども追加で依頼したい場合などは、遺品整理とは別に費用がかかることになります。

遺品整理を業者に依頼した際の時間も、住宅の広さや物の数によって変わると共に、業者の作業員の人数によっても変わります。早いときは1～2時間程度で終わることもありますが、1～2日程度かかることもあるのです。

遺品整理の費用は場合によっては比較的高額になりやすいことから、できるだけ安く済ませたいと考えている方もいるのではないでしょうか。そのような方のために、遺品整理を少しでも安く済ませるためのコツについてご紹介しましょう。

遺品整理の費用は、遺品整理を依頼する住宅の広さや物の数などによって上下します。そのため1部屋だけでも自分で遺品整理を行うなどして、依頼する広さと物の数を減らすことで、少しでも費用を安くすることも可能でしょう。

遺品整理は、業者によっても料金がさまざまです。そうしたことから複数の業者に対して見積もりを依頼して、より安い業者に依頼する方法があります。またそれぞれの業者に対して、相見積を行っていることも伝えることで値引き交渉もしやすくなるでしょう。しかし表面的に安さだけをアピールした悪質な業者も存在することから、注意が必要です。

遺品整理の作業の中では、遺品整理業者が金品類の査定と買取まで行ってくれることもあります。しかし骨とう品や趣味用品など、専門的な知識が必要なものについては、買取専門店に持ち込んだ方が高額で売却できることもあるのです。そのため金品類の査定と買取だけは、自身で専門業者に持ち込むなどして、遺品整理費用を相殺できる可能性もあります。

遺品整理業者は、数多く存在していますが、その中からどの業者に依頼するべきかを悩むこともあるでしょう。遺品整理は、ただの清掃などと違って専門的な知識が必要になることもあるため、どのような業者であっても良いというわけではありません。遺品整理業者選びのポイントについて少しだけご紹介しましょう。

遺品整理士とは、一般社団法人遺品整理士認定協会が認定している、遺品整理の知識も有していることを証明する資格です。この資格を取得するには二か月間の養成講座を受講する必要があるなど、資格の取得に相当の期間を要するものです。遺品整理の際は、相続に関係する書類の選別なども必要になります。そのため遺品整理業者を選ぶ際に、専門的な知識を有している遺品整理士在籍の確認は、大切な判断材料となるでしょう。

遺品整理には、決まった料金設定が少なく、業者によっても必要な費用はさまざまです。そのため見積書の内容がどれだけ細かく記載されているかというのも、良い業者であるかを判断するひとつの材料になります。この際疑問に思った項目については、遠慮なく質問して十分な説明をしてくれるかも確認しましょう。

遺品整理業者の中には、悪質な業者も存在します。悪質な業者は、内容が不透明な見積書を作成したうえで、後になって高額な請求を行う場合もあります。また遺品の買取査定を極端に安くして、過剰な利益を得るような業者もいたり、大切な相続書類を廃棄してしまうような業者もいたりするのです。そのため遺品整理業者を選ぶ際は、安心して依頼できる業者を慎重に選ぶようにしましょう。